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2024年9月2日、三菱UFJニコスとJCBから、プライオリティ・パスの飲食店およびリフレッシュ施設等の利用が出来なくなる発表がありました。

プライオリティ・パスのレストラン優待について

プライオリティ・パスは、2024年9月時点で世界1500ヵ所以上の空港ラウンジを利用できる有料プログラムで、特定のクレジットカード会員はプライオリティ・パスに無料で登録できる特典が付帯しています。
日本国内の空港ラウンジ(カードラウンジ)は、ソフトドリンクが無料で提供されていますが、海外の空港ラウンジでは、軽食も無料で提供されており、アルコールも無料で飲める空港ラウンジもあります。

このため、昔は、主に海外へ行く方にとって、非常に重宝する特典でした。

しかし、昨今、国内ではプライオリティ・パス会員向けの優待を用意した飲食店やリフレッシュ施設が増えてきています。
一昔前は関空のぼてぢゅうが有名でしたが、その後、中部国際空港(セントレア)に温泉施設を含む複数の施設がプライオリティ・パス会員向けの優待を付けたほか、2024年9月時点では、羽田空港や成田空港、伊丹空港なんかにも対象施設があります。

飲食店では、プライオリティ・パス会員専用メニューが無料でいただけたり、お会計から3,400円を割引してくれたり。
セントレアでは温泉と食事がセットになったメニューなんかがあります。

※中部国際空港のくつろぎ処の「お食事処 えびす」

「1回の利用で3,400円得する」と考えると、年に3回利用したら1万円以上のお得。6回利用したら2万円を超えるお得です。

となると、年会費2万円程度のプラチナカードなら、プライオリティ・パスの特典だけで年会費の多くを回収できるワケです。

別に海外へ行く機会が無い方でも、飛行機を利用した国内旅行や出張をされる方には、非常に嬉しい特典であることは間違いありません。

しかし、冒頭にも記述したように、三菱UFJニコスとJCBから、今後、飲食店やリフレッシュ施設等の優待が利用できなくなるアナウンスがありました。

三菱UFJニコスは2024年10月1日からラウンジのみ

まず三菱UFJカード・プラチナ・アメックスなど、三菱UFJニコスが会員向けに配信した内容は以下の通り。

三菱UFJニコスでは、プラチナ会員さまにフライト前のひとときを空港ラウンジでお過ごしいただくため、
プライオリティ・パスを無料でご利用いただいておりますが、
昨今、空港における飲食店舗やリフレッシュ施設等でのプライオリティ・パスのご利用が大変増加しております。
それに伴い、本サービスに関連するコストが増加しており、本サービス自体のご提供を続けることができなくなるおそれがございます。

そのため、三菱UFJニコスおよびフランチャイジー各社のプラチナ会員さまがお持ちのプライオリティ・パスは、
2024年10月1日(火)より、無料でのサービスのご提供を空港ラウンジのみといたします。

飲食店舗やリフレッシュ施設等でご利用された場合、ご利用料金をご負担いただく場合がございますので、あらかじめご留意ください。
何とぞ、ご理解賜りますようお願い申しあげます。

今後とも、MUFGカードをご愛顧賜りますようお願い申しあげます。

ということで、この文面からは、2024年10月1日以降は、国内外の飲食店舗やリフレッシュ施設等でのプライオリティ・パスが利用できない、と受け取れます。

三菱UFJカード・プラチナ・アメックスは、家族カード会員もプライオリティ・パスに登録できるクレジットカードで、この優待特典を目当てに入会される方が少なくない1枚。

その看板特典ともいえるプライオリティ・パスが改悪されるということで、今後の退会者数が気になります。

そもそも、【コスト増加】とありますが、三菱UFJカード・プラチナ・アメックスは、そんな優待が充実しているワケでもありませんし、ポイント還元率も決して高い部類とは言えません。
何にコストがかかっているのやら・・・

※関西国際空港のぼてぢゅう

JCBはザ・クラスも含めて国内ではラウンジのみの利用

続いてJCBですが、ゴールド ザ・プレミア、プラチナ、ザ・クラス、全てのカードが改悪の対象となります。
こちらは、ちょっと猶予期間があって、2024年10月31日20:00以降より、国内の飲食店やリフレッシュ施設等が利用できなくなります。

三菱UFJニコスと異なるのは、文章の表現ですね。
JCBでは、2024年10月31日20:00以降、国内の空港ラウンジと国外の全ての施設のみ利用可能、といった文章となっています。
つまり、海外にある飲食店はプライオリティ・パスで利用できる、と解釈できます。

なので、海外へ行く機会が多い方は、すぐに解約するのではなく、ちょっと考えた方が良いかもしれません。

僕個人としては、せめてザ・クラス会員は、現状維持で行って欲しかった、というのが本音ですね。

※関西国際空港のぼてぢゅう

プライオリティ・パス改悪は他社へ広がるのか?

今回、三菱UFJニコスとJCBが同日に発表しましたが、これはプライオリティ・パス社からカード会社への請求金額がアップしたことが要因と思われますが、だとすると、他のカード会社にとってもコストはアップするということを意味し、今後、他のカード会社がどのようなアナウンスをするのか気になります。

年会費55,000円のザ・クラスでさえも、改悪の対象になったということで、少なくとも年会費55,000円以下のカードは、三菱UFJニコスやJCBに追従しそうな気配も感じます。

個人的には、ラグジュアリーカードやダイナースプレミアム、三井トラストクラブ ワールドエリートなど、年会費10万円を超えるクレジットカードは何とか改悪の対象から外してもらいたいですね。

また、年間のプライオリティ・パス利用回数に制限が設定されたクレジットカードはどうなるのか?

こちらも気になります。

仮に、UCプラチナカードやジャックスカードプラチナなど、年会費が安くプライオリティ・パスの利用回数に制限のあるカードが、今後もレストラン優待を利用可能であれば、逆に脚光を浴びる可能性もありますね。

いずれにしても、追従するカード会社があるのであれば、2024年9月中に発表される可能性が高いと推測しますので、プライオリティ・パスのレストラン優待を期待してプラチナカードを申し込むなら、しばらく様子を見た方が無難かと思います。

新規入会キャンペーン中のプラチナカード

プライオリティ・パスを利用可能なプラチナカード